引用:公式サイト https://midnightswan-movie.com
公開している期間があとわずかということもあり、ぜひ映画館で観ておきたいと思って少し遠くの映画館だったけれど車を走らせて行ってきました。
映画を観終わった後は余韻が凄くて、自宅までの帰りの運転は半分ぼーっとしていました。
ほんとに映画館で観れて良かった作品でした…。
- ネタバレあります。
個人的な評価です。
- 公開:2020年
- 制作:日本(2020年)
- 時間:124分
- 監督:内田英治
新宿のショークラブで働きながら日々を生きているトランスジェンダーの凪沙は、育児放棄されている親戚の少女を預かることになります。
生きづらさを抱えた凪沙と一果の2人が出会い、お互いが少しづつ歩み寄っていくなかである感情が芽生え始めます。
この映画を観ようと思ったきっかけは、 youtube のエガちゃんねるで江頭さんが【ミッドナイトスワン】を絶賛されていたのがきっかけで興味を持ちました。
その後ネットや youtube でこの映画を観た方の絶賛されているコメントが多いことを知り、ますます興味を持ちました。
そして実際に映画館で観てきた感想はというと…ほんとに素晴らしい映画でした。
トランスジェンダーの凪沙を演じている主演の草彅剛さんが凄くて、ここまでの演技をされるんだ…と思う衝撃的なシーンが私のなかで3つありました。
草彅剛さんの演技は前からドラマで見ていたけれど、 今回とても難しい役をされていて、今までに見たことのない草彅剛さんの新たな一面を見たような気がしました。
それと映画の中の凪沙やその仲間を見ていると、トランスジェンダーの方でないとわからない苦悩や葛藤に、何か考えさせられるものがありました。
私は身近にトランスジェンダーの方がいないので、テレビやネットで話題になっていても自分にとっては正直何か遠い話のような感じだけど、自分がもしその立場だったらどうなんだろう…としばらく考えてしまいました。
ほんとに当事者でないとわからない計り知れない苦悩があるんだなと…。
それが「なんで私だけ…」の言葉の中に、いろんな想いが込められていると思いました。
そして映画の冒頭で初めて見た凪沙に最初は少し違和感を感じたけれど、話が進むにつれてその違和感はなくなっていきました。
他の方のコメントにもあるように、凪沙という人物が実在するかのような感覚になります。そのぐらい草彅剛さんが演技というよりも自然な感じでした。
一果を演じている服部樹咲さんも、とても新人の方とは思えない存在感と表現力を持つ方だと思いました。
海をバックに踊る姿とラストに海外の舞台で踊る姿は、ほんとに綺麗でここでも泣きました。流れてくるピアノの音楽もとても良くて一果のバレエと重なると、よくわからないけれど何かこみ上げてくるものがありました。
それと凪沙の働いているショークラブで客とトラブルになっている時に、ステージで一果が踊り出すシーンもとても良かったです。
その踊る一果の姿を凪沙が釘付けになって見入るシーンも印象的で…。
あの後から凪沙が一果にバレエを続けさせてあげたいという想いが強くなってきて、2人の距離も近づいてきたように思います。
最初は一果をしぶしぶ引き取った凪沙が、お互いに少しづつ歩み寄っていくなかで、凪沙は顔の表情がほんとに母親のように穏やかになってきてると感じました。
そして一果も好きなバレエが出来る環境と、凪沙という自分のことをちゃんと見ていてくれる存在がいる安心感からか、どんどん磨かれて可愛くなっていきます。
長い髪を切り男性の姿になって作業服を着て働きに行く朝のシーンでは、一果の為だったら自分を犠牲にしてでもバレエを続けさせてあげたいという、一果に対する愛情を感じました。
そしてそれに対して怒る一果も、なんで自分の為に頼んでもいないのにそこまでするの?とあくまで凪沙の気持ちを大切に思って怒っていたように見えて、もう2人の関係性が母と娘になっているように思えました。
この【ミッドナイトスワン】は感情を揺さぶられるシーンが所々にあり、その度に感情がこみあげてきて観てる2時間の間に何回か泣きました。
この映画を観てそれぞれの立場を差別や偏見を持たずに認め合って、少しでも生きやすい世の中になるといいのにな…と改めて思いました。
この映画を観た感想を書いてみて、自分の心に感じたことを文章としてありのままに書くことの難しさを感じました。
映画の深い考察をされている方を見るとほんとに凄いと思います。
難しいことは書けないけれど、1つ言えることはこの【ミッドナイトスワン】は映画館で観ることが出来て良かったと思える作品であることだけは確かです。
私のなかで何かとても心に残る映画になりました。