引用:公式サイト https://www.uplink.co.jp/seijya/
かなり前に北インドに行った時にパキスタンに行く為の国境があるので、この映画の舞台でもある黄金寺院があるアムリトサルに行ったことがありました。
当時はこういう場所があると知らなかったけれど、もし知っていたら1度は寄ってみたい場所でした。
- ネタバレあります。
個人的な評価です。
- 制作:2011年
- 公開:2014年
- 時間:65分
- 監督:フィリップ・ウィチュス:ヴァレリー・ベルト
- 制作国:ベルギー
- ジャンル:ドキュメンタリー
インドの北西部に位置するアムリトサルのシク教徒最大の聖地である黄金寺院で、毎日10万食が巡礼者や旅行者の為に無料で提供されています。
宗教も人種も階級も職業も関係なく食事が出来る黄金寺院の準備の舞台裏を撮影したショートトリップドキュメンタリーです。
この映画を観て最初にこれだけの規模の無料の食堂が成り立つこと自体が凄いと思いました。そのぐらい人の多さや規模の大きさに驚きます。
この映画の舞台になっているのは、パキスタンの国境に近いインドのアムリトサルにあるシク教徒の総本山の黄金寺院という所です。
そこで毎日10万食分の豆カレーを無料で提供しているとのことでまず10万食という多さに実感が湧かず、さらにそれが500年前から受け継がれていると知って何かインドの底知れぬ凄さを感じました。
この映画は全編ドキュメンタリーでBGMもナレーションもなくて、現地のありのままの自然な音や流れる映像が綺麗で臨場感に溢れていました。
男性は頭にターバンを巻いているシク教徒の人々で、南インドや北インドのヒンドゥー教ともまた違う雰囲気を映像から感じます。
そしてこの黄金寺院で無料提供する食事の準備の舞台裏を、ただ淡々と映しているので面白いかつまらないかで判断出来ないけれど、始まりから終わりまで画面に見入ってしまいました。
この映画の紹介の言葉に極上のショートトリップドキュメンタリーとあるように、自分もまるでそこにいるかのような気分になります。
映画は最初に材料の野菜を収穫する所から始まり、材料の下準備をする人・ チャパティを伸ばしたり焼いたりする人・食器を配る人・カレーを皿に配る人・食べ終わった食器を洗う人など、それぞれ作業の役割分担が決まっていてそれをひたすら淡々とこなしています。
特にチャパティを焼く場面では器用な手さばきに見入ってしまい、玉ねぎをひたすら切る人と食べ終わった食器が飛んでくるのを片付ける人はかなりきつそうでした。
そしてこの映画のポスターにある大きな鍋の中に入って洗う男性の姿も印象に残りました。
10万食の食事の準備なので、野菜の量や人の多さや皿の数や鍋の大きさなどに圧倒されます。
このいろんな作業を手伝っている人達は無償労働とのことで、無償で食事が出来ることに対して無償であれだけの労働が出来るのは、宗教的な意味合いもあるかもしれないけれど、基本は感謝しているからこそ出来ることなのかもしれません。
それと所々でカメラ目線の人々が気になったけれど、それは作られていない自然体の毎日の光景でもあり、実際にインドに行った時にこんな感じで見られたことを思い出しました。
あと気になったのが、これだけの規模の食事の材料費はどこから出ているのかな?と純粋に思いました。
働く人が無償労働ならば、じゃがいもや玉ねぎなどの材料も無償で提供してもらえるのか、もしかしたら土地も無償で借りられて作るところから無償労働なのが前提でないとこの仕組み自体が成り立たないような気がします。
そしてこの無料の食堂はインドでは今でもカースト制度が根強く残っているといわれるなかで、宗教も人種も階級も職業も関係なく同じ場所で同じ食事をする場所があることが、インドで生活する人々にとってとても貴重なことだと思いました。
この【聖者たちの食卓】を観て働くことや食べることの意味をなんとなく考えさせられました。 それと同時に当時アムリトサルまで来ていて黄金寺院の存在を知らなかったことがとても残念に思いました。
ここだけを目的に行くことがなかなかないだけになおさらです。
もし知っていたらたぶん行ってました…。
映像でもこれだけの臨場感を感じることが出来るので、実際にこの場所に行ったら人の多さや雰囲気に圧倒されそうです。
ただこのコロナ禍で現在この場所がどのような状況なのかちょっと気になるけれど、たぶん今までとは違うことが予想されるので1日も早くこの映画の時と同じような状況になってほしいと思いました。
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