最近久々にハマったドラマがありました。
【30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい】というドラマで途中からだけど、眠れない時にテレビをつけたらたまたまやってて見始めたらハマりました。
普段おもしろかったドラマがあってもその時だけで、また最初から見返すことはあまりないけれど、このドラマは繰り返し見てしまいます。
こんなにドラマにハマったのはいつぶりだろう?と思いました。
- ネタバレあります。
テレビ東京の2020年10月~12月の全12話のドラマです。
童貞のまま30歳を迎えたことにより、「触れた人の心が読める魔法」を手に入れた、冴えない30歳のサラリーマン・安達清。思わぬ力に困惑する中、ふと社内随一のイケメンで仕事もデキる同期・黒沢優一に触れたとき、なんと彼から聞こえてきたのは、自分への恋心だった…!初めて誰かから寄せられる好意に戸惑う、“初々しさ全開”の安達×クールなポーカーフェイスの裏で安達への恋心が爆発している“恋する乙女全開”の黒沢。そんな二人の関係が「心の声」を通して時に繊細に、時にコミカルに紡がれていきます。
引用:30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 公式サイト https://www.tv-tokyo.co.jp/cherimaho/
主演の安達清役の赤楚衛二さんは、今までまったく名前を知らなくてこのドラマで初めて知って、可愛いさとかっこ良さの両方の魅力を持つ方だと思いました。
演技は顔の表情や声の変化がとても豊かで、驚く時のリアクションやおどおどした仕草などとても自然な演技をされていて、安達という人物が本当にいるような気がしてきます。
そして相手役の黒沢優一役の町田啓太さんは前に「中学聖日記」というドラマで知りました。
とても端正な顔立ちで背が高くスタイルも声も良くて、誰もが認めるイケメンってこういう方なんだろうな…と思うほどイケメンだと思います。
ドラマの第7話で黒沢が外見だけで判断されることに葛藤する話があるけれど、町田啓太さん本人がかっこいいので説得力があります。
演技もふとした顔の表情の変化でセリフがない時でも感情が伝わる、とても繊細な演技をされていると思いました。
赤楚衛二さんと町田啓太さんの写真集が出ています。
BLドラマで最近だと【おっさんずラブ】や【きのう何食べた?】があってどちらも楽しめたけれど、この【30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい】は私の中でそのドラマを更に超えてきました。
このドラマを見ていると人を好きになる気持ちに性別は関係ないんだな…と思います。そして1人の人をこんなに好きになれるのはすごく幸せなことだと思いました。
ドラマの中で安達と黒沢が楽しくほのぼのとしてるシーンでは癒されて、逆に切ないシーンでは見てる方も切なくなってしまって、ドラマに感情移入してしまいます。
なぜこんなに感情移入してしまうんだろう…と考えると、このドラマは安達と黒沢のそれぞれの心の機敏をとても丁寧に描いているからだと思いました。
そして黒沢の安達への一途な想いや心の声に戸惑いながらも前に進む安達の姿に、共感したり感動するのだと思いました。
このドラマは全12話のどの回もときめくシーンや印象に残るシーンやセリフが多かったので、私の独断で好きなシーンBEST10を選びました。
でも実際は良いシーンが多すぎてBEST10には収まらないけれど…。
ちなみに好きな回は第7話の告白の回で、ほぼ安達と黒沢の2人に焦点をあてたとても素晴らしい回です。
- 第8話:安達が黒沢に告白した後の帰り道で黒沢の「それって安達の家に行っていいってこと?」の言葉に安達があたふたして「これ以上一緒にいたら歯止めがきかなそうだから」と耳元で言うまでのシーン
ここは余裕を感じさせる黒沢の魅力が全開のシーンだと思いました。
こんな爽やかなイケメンにあんな風にじっと見つめられてこんな言葉を言われたら、安達でなくてもあたふたしそうです。
この後に安達のアパートの玄関の前で、安達と柘植が一緒にいる様子を見て勘違いした黒沢があたふたするシーンがあるけれど、黒沢の余裕を感じさせる時と余裕がない時との対比が面白いです。
- 第8話:バス停で黒沢に向けた安達の笑顔とそこから親友の柘植に「俺、黒沢とつきあってる、です。」と黒沢との交際を告白するシーン
柘植の気になる湊とその仲間がトラブルになり、そこを離れて安達・黒沢・柘植がバス停にいるシーンで、安達が柘植を励ます流れで黒沢に向けた笑顔が、とても穏やかな表情で今までと違って見えました。
今までは自分に自信がなかったのが、黒沢に愛されていることで自信がついてきたというか…。その後に柘植に黒沢との交際を告白するのも、その自信の表れのような気がしました。
今までの安達だったら言わないままでも…となりそうなので、黒沢は安達が自ら言ってくれてすごく嬉しかったと思います。(この部分は現実では賛否両論あるかもしれないけれど、あくまで黒沢の立場では)
それと8話まで見た後にまた1話から見返してみると、安達の印象がだいぶ違って見えます。1話と比べると8話では恋している顔でとても可愛く見えます。
- 第10話:居酒屋で安達が「自分ばかりが楽しませてもらうんじゃなくて、黒沢にも楽しんでもらいたい」と自分の想いを打ち明けてから、黒沢が口に手をあてておどけた表情で笑うまでのシーン
安達が自分の想いを打ち明けたことで黒沢も自分の想いを打ち明けるシーンは、いつも完璧でいなければ…という第7話の黒沢が酔いつぶれたシーンと重なりました。
安達は7年前から黒沢を外見だけで見ていないし「俺の前ではもうちょっと肩の力を抜いて欲しい」の言葉は「全然完璧でなくていいんだよ。」と言っているようで、今も変わっていないことがわかります。
黒沢はずっとそうやって自分を守ってきたから、安達に本当の自分をさらけ出すのが怖いようにも感じました。
そして「鼻毛が~」から口に手を当てて笑う黒沢は、今までに見たことのない表情でとても可愛いかったです。
- 第11話:コンペのプレゼン当日の朝に黒沢が安達に手作りのお弁当を渡して、そのお弁当のご飯の上に海苔で作った「自分を信じて」の文字
これはうるっときました。
自分も出張の仕事があるのに朝から安達の為にお弁当を作ってあげて、そのお弁当が安達の好きな物ばかりだったり、ご飯の上に海苔で作った「自分を信じて」の文字を見て黒沢はどこまで優しい人なんだろう…と思いました。
あの文字を作るのもかなり手間のかかることなのに、安達の喜ぶことだったら何でもしてあげたい気持ちが伝わってきました。
- 第8話:2人が並んで歩く坂道で、黒沢が安達の手を繋いで言った言葉「ゆっくりのんびりいこうよ。こうやって1個1個新しい初めてを楽しんでいくのも良くない?」の言葉とその後の黒沢の心の声
うるっとくるような言葉で黒沢の安達に対するとても深い愛情を感じました。
慣れない安達のペースに合わせてあげようと想う気持ちがとても優しくて、こんな優しい黒沢に愛される安達はとても幸せだと思いました。
そしてその後の黒沢の「好き、可愛い、好き、好き、大好き」の心の声は安達のことが好きすぎる気持ちが溢れていて、ほんとに好きなことが伝わってきます。
- 第7話:黒沢が会社の接待の席でミスをしてしまった後に酔いつぶれて安達が介抱してあげるシーン
黒沢が目を覚ました時に安達が覗きこむところや、起き上がろうとした時に「無理するなって」と黒沢の体に向けた両手、「ほらちょっと寝ろよ」と手で黒沢の体をとんとんするシーンは、安達の奥手で優しい性格が感じられました。
完璧な黒沢が弱っている姿に対して「なんかいいな」の言葉も安達の純粋さと優しさを感じました。
そして黒沢の「初めて心に触れられた気がした」の後の2人の引きのシーンの映像が幻想的でとても綺麗でした。この7年前の出来事は黒沢が安達を好きになるきっかけになったドラマの重要なシーンでもあります。
それとこの後の安達から黒沢への告白のシーンで「俺はこいつの心に触れる為に魔法使いになったのかもしれない」と言ってるけれど、魔法がなくても7年前に既に黒沢の心に触れていたことがわかります。
- 第6話:体調の悪い安達を看病した朝に、黒沢が作ったおかゆを安達に食べて貰う時の「やけどするなよ」
一晩中、体調の悪い安達を看病した日の朝の様子で黒沢も看病で寝ていないので疲れているはずなのに、栄養剤を買ってあったりおかゆを作ったりといろいろと安達の為に尽くしています。
人を好きになると、その人の為に自分の出来ることは何でもしてあげよう…という気持ちが伝わってきます。
この「やけどするなよ」の言葉と黒沢の安達に向ける笑顔には優しさが溢れていました。この後の目を丸くした安達の「もう既にやけどしそうです…。」も可愛いです。
- 第7話:安達の黒沢への告白シーンと途中の「いいから聞けって」
今まで黒沢に対して心の声で自分に対する想いは知っていても逃げてばかりだった安達が、自分も黒沢が好きだという気持ちに気づいて、黒沢に対する強い気持ちと男らしさがこのセリフに出ている感じがしました。
告白シーン全体も良かったけれど、特にこのセリフが強く印象に残っています。
それと安達が「俺、黒沢が好きだ」と告白するまでの間に、黒沢の表情が少しづつ明るくなっていくところは「もしかして可能性があるの?」という気持ちが伝わってきました。
- 第9話:柘植をかばった安達をかっこ良かったと言った後の安達の言葉と、その後に黒沢が安達を抱きしめて安達もぎゅっと抱きしめ返すまでのシーン
「かっこ良かったって言ってくれたけど、もしそうならたぶん絶対に黒沢のおかげだから。だから今なら俺ちょっと頑張れる気がする」と安達に言われた黒沢は、7年も片思いをしていた相手からそんな言葉を言われてとても嬉しかったと思います。
その後に黒沢が安達を抱きしめて「ああもうずるい。これ以上好きにさせてどうしようって言うんだよ」の後の「あっ、俺こいつのことめっちゃ好きかも…」の安達の言葉にうるっときてしまいます。
第7話の告白で抱きしめられるシーンでは安達の手は黒沢の背中にそっと添えていただけだったのが、今回は人目も気にせずに満面の可愛い笑顔で黒沢のスーツをぎゅっと掴んでいます。
こういう細かい描写からも安達の心境の変化が感じられて、どんどん黒沢のことが好きになってることがわかります。
そして文房具のコンペも黒沢が安達の気持ちを察して、書類を渡して後押ししてあげてるのもいい関係だな…と思いました。
第10話では安達のコンペの企画の内容に、営業の黒沢は一切口出しせずに見守る反面、第11話のプレゼンでは全力で応援していて安達に対する優しさと深い愛情を感じました。
- 第12話:アントンビルの屋上でのシーンとラストのエレベーターの扉で隠れてしまって見えそうで見えないキスシーン
アントンビルの屋上でのシーンは良かったです。
安達が黒沢への想いをありのまま正直に伝えるところ、黒沢が言葉ではなく心の声で「好きだよ安達」と言うところ、「安達が俺の心を読んでくれたから俺達つきあえたんだな」と魔法を肯定してくれるところなど…。
黒沢が万年筆を差し出して「俺とずっと一緒にいて下さい」のプロポーズの言葉と安達の涙ぐみながらの「はい」もとてもじんわりするシーンでした。
この時に指輪ではなく万年筆というのも、二人が出会った場所が一緒に働いている文房具会社ということと、安達の性格や文房具が好きなことを考えて選んでくれたのだと思いました。
だけど1つだけプロポーズの後に、安達のファーストキスのシーンがなかったのが残念でした。
今までに何度かキスしそうでしないシーンがあったので、最終回はアントンビルの屋上で打ち上げ花火をバックに安達がファーストキスを迎える…と話を予想してました。
あのプロポーズの流れから自然にそうなるのかと思ったけれど…。
黒沢が安達の「初めて」をとても大切にしていたので、もし安達のファーストキスを丁寧に描くとしたら、この最終回の屋上でのプロポーズの後が自然な流れでベストなタイミングだと思いました。
このシュチュエーションだったらこのタイミングだよね…という、今まで見てきた恋愛ドラマのベタなシーンと重ねてしまうのかもしれません…。
でもラストのエレベーターのシーンは、扉で隠れてしまったけれどキスしてると想像出来る見えそうで見えないシーンで、綺麗な終わり方だと思いました。
魔法使いを卒業した安達が今までの奥手だった安達とは違って見えて、大人びた様子に少し寂しく感じたけれど…。
またこのエレベーターは第1話で安達が初めて黒沢の心を読んで自分への想いを知った場所なので、あえてこの場所がラストなのも良かったと思います。
ただとても素敵なシーンではあるけれど、もう安達にとってファーストキスではないと感じるので、第3-4話の屋上のシーンのような緊張してどぎまぎしながらの奥手の安達らしさを感じるファーストキスのシーンも見てみたかったです。
第1話で黒沢の心を読む前は、会社の同期でもいつも「俺なんか…」と自信のない安達と常に自信に満ち溢れた黒沢という感じで、2人の関係にはかなり距離があるように感じました。
30歳を過ぎてこの魔法が使えるようになったからこそ、黒沢の自分への想いを知ることが出来て、安達が時間をかけて少しづつ黒沢に歩み寄れたことが良かったと思います。
安達が黒沢を好きになったのがこの魔法で心が読めるようになったことがきっかけだとしても、安達は黒沢の心を読んだ後にいつも自分で考えたり悩んだりして出した答えや気持ちを、黒沢に何かしら言葉にして伝えたり行動に移してると思いました。
そして第10話では黒沢の心の声に安達が言葉で反応してしまって、この魔法のことを黙ったまま付き合ってていいのか?と不安になるシーンがあります。
この時点で言うのもかなり勇気のいることだし、かと言ってこのまま黙っているのも心苦しくて難しいところです。
第11話ではとうとう安達が黒沢に魔法のことを告白するけれど、その結果不穏な空気になってしまって、想いあってるのに何でそうなるの?という感じでした。
安達が魔法を失うのが怖いのは、毎回黒沢の心を読むことで自分に対する気持ちを確認出来たのが一切わからなくなってしまうのもあると思うけど、確かに当たり前に出来てたことが出来なくなるのは怖くなるのもわかる気がします。
でも魔法よりも黒沢という手放してはいけない大切な人がいることに安達が気づいてほしい…と、第11話を見て思いました。
そして最終回では安達が魔法より黒沢を選んでくれたので良かったです。
まだカップルになる前の安達の親友の柘植が宅配員の湊にときめいた時に、無意識に口から出てしまう「きゅん」が毎回ツボでした。
人の心が読める魔法のことで安達に相談された頃は、常に冷静で「個人的には恋にうつつをぬかすのはおすすめしないが」と言っていたのに、いざ自分もその魔法を手に入れたらがらっと変わってしまうそのギャップもいいです。
いつも爽やかでイケメンの黒沢が、実際の心の中では安達に向ける熱い想いが溢れ過ぎて映像になるそのギャップが面白いです。
安達との映像の妄想シーンもだけど、安達が黒沢を食事に誘っただけなのにデートと思ったり、安達の家にしばらくいてもいいよというのを同棲と解釈したり、安達の想像を黒沢が軽く飛び越えてくる感じがしました。
第9話のバスローブのシーンは前回は安達に「ゆっくりのんびりいこうよ。」と言っていたのに、妄想はゆっくりどころか一気に飛び越えてきました。
ドラマのオープニングテーマとエンディングテーマもとてもいいです。
オープニングテーマのOmoinotake が歌う【産声】は安達目線の歌で、 エンディングテーマの DEEP SQUADが歌う【Good Love Your Love】は黒沢目線の歌と言われています。
オープニングテーマ Omoinotake【産声】
「このまま同じ場所でずっと立ち尽くす為に産まれた訳じゃない」の歌詞が心に刺さります。
エンディングテーマ DEEP SQUAD【Good Love Your Love】
「ほんとはぐっと抱き寄せて奪いたいのさ~」のところが好きです。
このドラマの登場人物はみんないい人で、それぞれが自分のことよりも他の誰かを想ったり気遣ったりしているので、見終わった後はとても温かい気持ちになります。
それと冒頭でも書いたけれど普段あまりドラマにはまることがないのに、このドラマは既に内容がわかっていてもなぜかまた見たくなる中毒性があります。
私はどちらかというとちょっと冷めてるところがあるので、まだまだこんなにドラマに夢中になれるんだ…と自分自身気づきもありました。
コロナ一色の1年だったけれど、今年の最後にとてもほっこりする素敵な作品に出会えて良かったです。
まだこのドラマを見ていない方は、この記事がきっかけで【30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい】をちょっと見てみようと思って頂けたら嬉しいです。
はまる確率の高いおすすめの素敵なドラマです!
TSUTAYAプレミアム・TSUTAYA TVでこのドラマを見ることが出来ます。
- 安達・黒沢バレンタイン編&六角編
- 柘植・湊編
原作のコミックが1巻~6巻まであります。
特装版(腐女子たちの純愛(ピュアラブ)妄想小冊子付き)
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